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音楽回想録vol.2

  • 執筆者の写真: SS from monogrande
    SS from monogrande
  • 2018年8月20日
  • 読了時間: 4分


今からおおよそ12年前、2000と6年

中学2年生とMDウォークマン

4畳半の万年床にて

繰り返し再生した、、、




音楽回想録vol.2




皆様こんにちわ、

あなただけこんばんわ。



少しぶりの再会ということで、

朝と夜の涼しさは秋の始まりを、

昼の止まらぬ汗は終わらぬ夏を、

感じさせている日本の神戸から

当コラム2回目の文章を

書いております。



推しに推して入るプッシュ

と言います、皆様あなた

いかがお過ごしでしょうか?


2回目があって良かった、

という訳で大きな反響も無く痛烈な批判も無く何とか1回目で終わることなく、引き続き連載をさせていただくことになりました。



どうぞ末長くよろしくお願いします。



やる事がない冬休み正月三が日夜更かしの中学生2年生。リビングで独りザッピングで変わるテレビ画面を眺める、バラエティ、ドキュメンタリー、ドラマの再放送、そして映画。2、3年前に公開した予告編だけ見たことがある映画が始まるところだった。


中学2年生には

少し難しかったであろう、

どこにでもある大学生の

恋愛を描いた映画は

最後のシーンからタイトルバックへ。







『くるり・ハイウェイ』



アコースティックギターの音色が印象的なイントロを抜けて静かに曲は展開していく。素朴な歌が乗り始めこれまた素朴な歌詞が耳に入ってくる。


迎えるサビ?のコーラスでは

題名のハイウェイという

言葉が使われている。


盛り上がりの後の

少し寂しげな間奏から

徐々に物語は結論に近付いていく。


ぼんやりとした答えを歌い、

明るく聴こえる音は

この先の事を示しているかのよう。



作られた世界は

フェードアウトで幕を閉じていく。




くるりの12枚目のシングルであり

映画「ジョゼと虎と魚たち」

の主題歌のこの曲。



エンディングに水色の文字で映画タイトルが現れ、この曲が流れ出す場面が綺麗で印象的です。



映画自体も名作で、誰にでもある青年期の忘れられない人との恋愛が映されています。若者には刺激と憧れと疑問、大人にはビターな味わいと優しさと納得、そしていくつになっても切ない気持ちをくれる映画です。



ただ決してこの曲はこの映画のストーリーをなぞっているわけではありません。全然違う物語を描いています、なのに何故かこの映画のことを思い出させるのです。


まるで


遠く離れた似てない兄弟のような、

どこかとどこかで走っている

地方電鉄のような、

初恋のあの娘と

大人になってできた友達の

君のような、


そんな絶妙な距離感を感じます。



歌われているのは、

誰もが通ってきた若者特有の


何かしてみたい、

何かやりたい、

何か成し遂げるんだ、


そんな気持ちです。



最初に旅に出る理由を語り始め、

最後には でも理由なんて無くなったし

本当はいらないんだな、

と気付くのです。



子供が青年へ青年が

大人へ変わる時のように。


この映画のラストシーンでも

主人公は気付くのです。

自分とあの娘と世界の事に。



でも気付いた時にはもう大人、

気付き始めた時には

大人になろうしているのでしょう。



この曲の主人公が本当に旅に出たのかは誰にも分かりませんが、旅に出ようとも旅に出なくとも等しく皆に訪れる気付きと大人になる瞬間。



初めて自分が

大人になってしまったことを

実感した時のことを覚えていますか?



大人の気持ちが

分からないませた子供に、


最近若者の気持ちが

分からなくなってきた大人に、


クラスで変人扱いされている

あの娘を理解しようとする少年に、


歳上に憧れる優しさなんて

嘘っぱちだと思っている少女に、



この曲を贈ります。



何回も


しかも色んな場所で

聴いてみて欲しいです、

映画も見てくれたら最高です。



きっと少し明るい気持ちになって

昔をぼんやり思い出したり

未来を薄っすら想像したりして

心が少し動きますよ。



もう充分遊んで疲れて

大人になったはずなのに


まだ子供でいたいと思っている僕にも、この曲を贈りたいと思います。



推しに推して入るプッシュ(fr.宵待) @p.u.s.h._ose

神戸在住の26歳、六人組アーバンBAND宵待のMC担当。他にもDJ、partyオーガナイザーとしての顔も持ち音楽を多方面からのアプローチで楽しんでいる。当コラムを書くきっかけは、ビートが無い上で自分の言葉を試したくなった、とのこと。短文が苦手らしく今後とも彼の長文にどうぞお付き合い下さい。

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