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真似が作り出すオリジナリティ

  • 執筆者の写真: SS from monogrande
    SS from monogrande
  • 2019年6月19日
  • 読了時間: 7分

どうも。


何気なく取った雑誌をパラパラと読み進めていくうちにふと思い立って、


今回のこのコラムを書き始めました。



過去のコラムでも述べた通り、僕は興味を持った色んなことに手を伸ばして、まずやってみる。


そういう人間。



最初は誰かの真似をしたりしつつ、その中で自分に合う手法を見つけていく。


できる限り早い段階で


サンプリングっていう


自分についた言い訳から切り離すように。



真似ばっかりしててもつまらないし、そんな風にして作った自分の制作物に魅力を感じないから。



後輩達から、ダンスを教えてほしいだとかどうやったら上手くなるのかだとか、始めた頃、誰を意識していただとか。


そんな風なことを聞かれることがあるけど、


勿論僕も誰かの真似から始めて、自分がすると何故かその人と同じようにカッコよくみえないっていうそのギャップを埋めることに時間を費やして、


いつのまにか、


こうすればカッコよく見せれるんじゃないかといった自分の型を少しずつ発見して、


そうやってここまでやって来たんだよって。


そんな話をします。



例えば、コピーダンスという芸術は、すでに出来上がった凄いものをコピーしている訳だから、それを完全にコピー出来れば当然、凄いものが出来る。


それで満足行く人もいるだろうし、僕みたいに満足行かない人も一定数以上いるはずで。



じゃあ満足出来ない人が


次に何をするべきか。



僕にダンスを教えてくれた、今でも1番大好きなダンサーさんの受け売りだと、



まずは、

憧れている人がやっていること、

作り上げたものをよく観察する。

そしたら次に、

その人が見ているモノを見る。

(このフレーズ、後でまた登場するからどうか覚えておいてほしいです。)



これだけじゃパッとこないかも

しれないけど、


つまりは、その憧れている人がソレとどう向き合っていて、どんな曲を聴いてどんな生活をしていて、その一つの動きにどんな意味を込めているのか、そういう部分を観察するということ。俗に言う、その人の生き様が表れるっていうアレ。




その人が作り上げたオリジナリティを真似するんじゃなくて、


その人のオリジナリティが出来上がるまでの過程を考えて、


自分なりにどういう過程を踏めば、オリジナリティを作り上げられるか




そういう事をよく考察する。




前振りなのか本題なのか怪しくなってきたところで参りましょう。


今日はそんな、

「真似」と「オリジナリティ」についての話を。



---------


真似が作り出す

オリジナリティ




行く理由は他にもあったけど、



会いたい人たちがいて



残り少ない有休を取って3日間の東京ぶらり旅に。




その雑誌に出会った場所



それは東京・下北沢



駅を降りて徒歩数分の、レトロな趣を感じる、ちょうどぼくのストライクゾーンにすっぽりと収まるようなカフェ。



カフェというよりもそこは喫茶店という言葉が良く似合う、そんな一軒の店。





その日はなんというか、関西から来た僕を身体的にも精神的にも追い込むような、雨がひどい土曜日で

雨宿りも兼ねて入店。



そこで大好きなアイリッシュコーヒーを注文して、20時からの約束の為に時間を潰す。



グラスがほとんど空になって、


トイレから戻るタイミングで

手にした一冊の雑誌。





シンコーミュージックエンターテイメント社という初めて耳にする会社が発行している「ロックジェット」という、初めて目にするタイトル。


それのvol.74、発行は2018年。


表紙は誰もが知る、名実ともに日本を代表するロックンローラー。

ザ・クロマニヨンズ 甲本ヒロト。



内容としては彼のロックに対する考え方や影響を受けたバンドマンの話。



甲本ヒロトとインタビュアーのやり取りから抜粋していきます。


「初期のザローリングストーンズは真似をすることに徹していたと思う」





僕自身あまりローリングストーンズについて造詣が深い方じゃないから、それがどういうことなのかすぐにはしっくりこなかったけど、


ローリングストーンズはどこかのインタビューで、自分たちがリスペクトするマディ・ウォーターズやチャックベリーの真似をあえてすることで




みんなに紹介できればそれでいい




そんなことを言っていたそうで。




ーその姿勢についてどう思いますか?


というインタビュアーの質問に対して


彼はシンプルに

かっこいいと思います。

それが彼らのやり方で、

それが自分たちの使命のように

考えていたんだと思います



そう返してました。



コピーバンドや


誰かっぽい


そう言われることをしている人たちって僕のイメージでは、そのコピー元や誰かっぽいの「誰か」を超えることの出来ない、


悪い言い方をすれば「便乗」屋さん。

(もちろんその道で真に極めている人に対してはリスペクトの心を持ったりもするんやけど。)



だけど彼は、



ローリングストーンズがあえて拘った真似という行為の、その真意を読み取り、客観的に評価してリスペクトを送っている。



ありふれた言葉だけど、


大人だなぁって。


素直にそう感じた。



続けて、



僕はある時ジョー・ストラマーをカッコいいと思った。ジョー・ストラマーみたいになりたいと思った。


だからこそアマチュアバンドの時からずっとオリジナルの曲をしてきた


そんな話を。



ジョーストラマーに憧れて、だからアマチュアの時からオリジナルの曲でやってきた。



この言葉の意味は。


彼がオリジナルに拘った意図は。



それは、


ジョーストラマーは誰かの真似をしてジョーストラマーになった訳ではないから。

これがかつての彼が選んだ道を表す答え。



ジョーストラマーの作る音楽をカッコいいと思った事はもちろん、オリジナルの曲を歌い続け、自分だけの音楽を発信していたジョーストラマーのやり方を、彼はカッコいいと思った。


そして彼は、


つまりオリジナルをやるということは、ジョーストラマーの真似をしているということ。

そう話していた。




これ。




まさにこの一文。




この一文こそが、僕がこの長ったらしくまとまりのないコラムを書くに至らせた。



冒頭で述べた、



その人が見ているモノを見る



というアノ言葉がすぐに頭が浮かんだ。


その人が見ているモノを見る。というキーフレーズを後輩たちに伝えたい時にいつも感じていたあのモヤモヤ。それがスッと晴れたような気がして。


あー、これだな。


まさにこういう事なんだって。



甲本ヒロトの発する言葉がいろんな場所で名言として残されているように、この1つのインタビューが僕の中でものすごくグッときた。




真似がダメなんじゃない。



真似から始まって真似に徹して、それに没頭する道があっていい。



真似から始まって、だんだんお手本と我流のギャップを楽しめるようになってきて、向上心と共に没頭する道があっていい。



どの道を選ぶのかは


自分次第。


うん。


結局何が言いたいんだって話。




このマガジンですでに何回か「やりたい事が見つからない時こそまずはやってみろ」的な事は発言してきたから、


今回のこれは、その次のステップの話。




中途半端なオマージュやパロディで出来た気になるのも分かるけど、自分が好きだと思うことに対して、もう一つ上のギアで取り組んでみるのもたまにはイイんじゃないかな。



それで挫折して辞めちゃっても僕は責任とれへんけど、そういう経験を色んなことで得る中できっと、


自分にとっての本気の趣味が見つかるような気がする。



社会人になって、

面白くもないイジリを毎日のようにしてくる上司がいたって、


何の楽しさも感じないけど給料いいしなぁって自分に言い聞かせて毎日通っている仕事だって、


損得勘定を持ち出してサボってばっかりの学生生活だって、



本気の趣味が一つでもあると


それだけで、


無機質な仕事終わりにも、憂鬱な学校終わりにも、きっとポジティブな時間が生まれる。



そしたらなんか、


そのポジティブな時間にめがけて1日1日を乗り越えられるような。



少なくとも僕の周りの、



僕に遊び方を教えてくれたカッコいい大人たちはそうやって、


やりたい事じゃないけどやらなきゃいけない仕事っていう、抗いようのないシガラミと戦ってる気がする。




そろそろこのコラムを締めたいので、敬語にシフトします。






転職や退学っていうルート変更だけが人生の転機じゃないと僕は最近になって気づきました。






人生の転機はもしかすると、今あなたが趣味という一言で片付けているモノゴトから生み出されるのかも知れません。






本気の遊び







何か一つでも、


見つかりますように。






written by SS

(WHIZ MAGAZINE Chief of Editor)




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