いい曲を#2-2 "二十九、三十"
- SS from monogrande
- 2018年9月22日
- 読了時間: 3分
いい曲を#2-2

どうぞ少し付き合ってください。
ほんの3分半のいい曲なんです。
アーティスト:クリープハイプ
タイトル:二十九、三十
作詞:尾崎世界観
作曲:尾崎世界観
ミュージックビデオYouTubeリンク↓
https://www.youtube.com/watch?v=-GzStwBn1RE
今回紹介するのは、前回のコラムで紹介した
『エロ』と両A面シングルとして収録された
『二十九、三十』と言う楽曲。
そのタイトルからも読み取れるように
「29歳から30歳になる」
1つの区切りについて歌った楽曲ですが
個人的に思い入れが強くて
恥ずかしい話、ありきたりな言葉になってしまうけど
この曲は本当に助けられたやつ。
29歳ではなく10代でも、何歳でも響くんじゃないかなぁ。
知らんけど。
再生ボタンを押して
暖かいギターの音が聴こえてきた後
辛い事も
うまく行かない事も
あの時の後悔も
遣る瀬無い気持ちも
行き場のない気持ちも
自分の不甲斐なさも
死にたくなった気持ちも
きっと少し和らいで、もう一回
もうちょっと、頑張ろうかな
そんな風に思わせてくれる、そんな楽曲。
やと個人的に思います。知らんけど。
では、MVと共に紹介していく。
「二十九、三十」は前回紹介した「エロ」のMVを観た後だと
より深みが増すので
まだ前回のコラムを読んでいないのなら
是非読んでからこのコラムを読むことをオススメします。
※以下、殆どが私の個人的な解釈です

この人物を貴方は覚えていますか?
前回「エロ」のMVにも登場した主人公・岡島祐介。
時が過ぎ、彼は29歳、風貌を見るに
サラリーマンの端くれといったところでしょうか。
あの頃の若々しさや奔放さは
社会の中で年齢を重ねると共に奪われて行ったよう。
いつかはきっと報われる いつでもないいつかを待った もういつでもいいから決めてよ そうだよなだから「いつか」か
きっと今より、いつか、何もかも良くなる
でもそれはいつなんだろうか
一生このままかも知れない。
誰かどうすればいいか、誰でも言いから行く末を決めてくれ
そんな心情かも。
自分が好きなのは以下、2番のサビまでの歌詞だ。
嘘をつけば嫌われる 本音を言えば笑われる ちょうど良い所は埋まってて 今更帰る場所もない
現実を見て項垂れる 理想を聞いて呆れかえる 何と無く残ってみたものの やっぱりもう居場所はない
もしも生まれ変わったならいっそ家電にでもなって 空気清浄機とかなら楽してやっていけそうだな 何も言えずに黙ったまま空気を読んだ振りをして 遠くから見てるだけの俺みたいだし

あらゆることが上手く行っていない青年は
MVの中で、ある集団の中の一人の男性とぶつかってしまう。
ここシーンは実はとても皮肉なもの。

前回のコラム「エロ」では主人公・岡島祐介は
ラストシーンにて男性とぶつかり、相手を倒してしまう。
「ぶつかる側から、ぶつけられる側へ」
MVではその対比が使われている。
皮肉なものだが、落ちぶれてしまった主人公を
痛いほど上手く魅せているシーン。
この対比を踏まえて映像を見ると、MVが2倍は面白くなる。
家電になるなら空気清浄機という点も実に面白い。
皆さんはどんな家電になりたいでしょうか。
ただ最後の歌詞で尾崎世界観はこう歌う。

前に進め 前に進め 不規則な生活リズムで
ちょっとズレる もっとズレる 明日も早いな
先に書いたように
もうちょっと、頑張ろうと思える
シンプルだけど勇気付けられる歌詞。
もし上手く行ってないことがあって
どうしようもなくて、遣る瀬なくて
路頭に迷った時にどうかこの歌を一度聞いてみてほしい。
もう一度、もうちょっと、頑張ろう
この曲を聴いてそんな風に思えたら嬉しい。
前に進め
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