音楽回想録 vol.1
- SS from monogrande
- 2018年8月5日
- 読了時間: 3分
初めまして、推しに推して入るプッシュと言います。
この度はwhizmagazineにて音楽コラム?ですかね、書き手が何か一曲選んでは色々と自由に書く、というこの連載に参加せていただくことになりました。
どうぞよろしくお願いします。
1回目と言うことで何の曲を選ぼうかなかなか悩んだのですが、おそらく僕が人生で1番聴いたであろう曲を選ばさせていただきました。
僕がこの曲を知ったのは中学2年生の時でした。
いつもの様に夜寝る前、何か音楽を聴こうと母親の持ついくつものMDカセットが入った箱を漁っていました。そこでふと見慣れない題名のついたものを見つけ、何の気なしにデッキに差し込みイヤホンから流れる曲に耳を傾けました。
それが向こう10年以上繰り返し聴き続ける曲になるとも知らずに。

『キリンジ・エイリアンズ』
まず
イントロはアコギと小さなドラムにほんの少しのキーボード、甘いボーカルがそこに乗り始め世界観が広がり徐々に引き込まれる。サビではホーンセクションも参加し始め一先ず曲が完成。サビの余韻を引きずりつつ2番を聴き、繰り返されるサビが終わると声は無くなる。
このブレイクは、歌詞の意味の思考の時間か、はたまた楽器隊の気持ち良さに惚ける時間か。そしてまたもや現れた声は最後に向けての助走と言わんばかりに胸をざわつかせ迎える大サビ、から短いアウトロへ。長いようでいつのまにか過ぎる6分4秒。
全体に哀しげ寂しげで、、、でも甘くどこか薄っすらと希望も感じさせるようなロマンチックなサウンドに、美しく意味深な歌詞を載せて、極上のムードを作った言わずもがなの名曲ですね。
キリンジの中でも代表曲であり、数多くのカバーが存在し、最近ではCMにも使われるなど、時代を超えて多くの方に愛されている曲だと思います。
この 歌詞に関しては様々な説が噂されています。同性愛であったり不倫愛であったりと。確かに難解で様々な読み取りができる言葉が数多く散りばめられています。
「禁断の実」「月の裏」「新世界」「ラストダンス」etc...、、、。
この歌詞の本当の意味は分からなくとも、其々の言葉が表すシーンが各々の目に浮かんでくると思います。その浮かんだシーンは多分受け取り手によって異なるでしょう、そこにある景色もそこにいる人も。
それでいい、
もしもこの歌詞に本当の意味があったとしても知らなくてもいいはずです。
受け取り手、つまりは僕らの中に解釈と答えとこの歌詞の本当の意味があれば。
中学の部活終わり独りで歩いた帰り道、高校の夏休み遊びに行くため飛び乗った深夜の電車、大学生のあの娘との叶わなかった恋の後、大人になったのに荒れてしまった夜が終わった朝、様々な場所とタイミングでこの曲はイヤホンから流れてきました。その度に受ける印象も違い浮かぶシーンも違うのものでした。
そして気付けば社会人になってしまいもう大人になってしまった僕ですが、未だにこの曲を聴いています。
きっとずっとこれからも。 推しに推して入るプッシュ(fr.宵待)

神戸在住の26歳、六人組アーバンBAND宵待のMC担当。他にもDJ、partyオーガナイザーとしての顔も持ち音楽を多方面からのアプローチで楽しんでいる。当コラムを書くきっかけは、ビートが無い上で自分の言葉を試したくなった、とのこと。短文が苦手らしく今後とも彼の長文にどうぞお付き合い下さい。
Comments